男はつらいよ

相方と電話で話した。彼女は悩んでいた。件の「三十五男」のようなつまらぬ男に惚れられるのは自分の性格や振る舞いに何か問題があるのではないか、と自分を責めていた。彼女は悪くない。魅力的なだけだ。男の多くが人との付き合い方をわからぬことが問題なのだ。
しかし男もつらいのだ。まともな話し相手なぞ一人もおらぬ。口を開けば「ほびぃ」の話か虚勢を張った知ったかぶりか、己の無力を嘆くばかり。男にとっても、男の世界は実りが少ない。
今の世の中、男に生まれたそのこと自体、人付き合いにハンデを背負うのと変わらない。だからとゆうて居直りおれば真っ暗闇のロンリー・デイズが待っている。
男子諸君。この際、男に生まれたのが運の尽きとぞ諦めて、せめて愛しいあの娘にぐらいは軽蔑されぬ程度にまでも精進してはくれぬだろうか。