映画のハナシ

まだ八月だというのにどうしたことか。
午後10時現在で気温は20度。風も強いし、半袖短パンでは涼しさを通りこして肌寒ささえ感じる。もう秋がやってきたのだろうか?

僕は秋が大嫌いだ。
意味もなくさみしく、かなしい気持ちになって一人でいるのが嫌になる。女のぬくもりが欲しくてたまらなくなる。そういう秋が大嫌いだ。

そんなふうな感傷的な気持ちで、買ってから封も開けずに放っておいたDVDを見てみたら思いがけず今のフィーリングとシンクロしてしまった。こういう偶然もあるものだ。

その映画はジョン・キャメロン・ミッチェル監督の「ショートバス」だ。

これはセックスがテーマの映画で、幾組かのカップルが主人公。ネタバレにならぬ程度に彼らを紹介すると、セックスでイッたことのない恋愛カウンセラーかつセックス・セラピストの女性とその旦那、女王様をやめて普通の暮らしをしたい女王様とそのシモベ、ゲイのカップルはとてもハンサムでキュートなのだけど愛し方の違いに苦しんでる。

この3組のカップルが「はみだしもの達の停留所」クラブ「ショートバス」を舞台に関わりあい、それぞれの関係を変化させていく。

この映画の登場人物は、主人公も脇役も含めて皆、自分の快楽に誠実であろうとしている。その生き方は、社会の中では存在を許されず、また自分自身や大切な人を損ねることも多い。しかし多かれ少なかれ、生きていくこと、人の暮らしということはそういうものなのではないのか。
この映画ではそういう、自らが自らであることの「生きづらさ」を自覚し受け入れた者たちが、お互いを赦しあい繋がりあう。
その奇跡のような美しさ!

もしヒマでヒマでしょうがないのであれば見てみてください。たしかレンタルもあったハズ。
そうそう、テーマがテーマだけにセックス・シーンが多くて、もちろん、ハンサムでキュートなゲイ・カップルもバッチリ!睦みあってくれてます。そういうのが大好きなBLな諸姉も、ぜひ。