無為に過ごす

少し持ち直してきたものの、まだ調子が出ない。憂鬱で何をするのも億劫だ。
食事を作る気力が湧かず、コンビニのカロリーばかり高い弁当を食べている。精神衛生によくないのだが、こんなときは仕方がない。
知人の女性宅を訪ねた。深いことを話すような仲ではないのだが、彼女は優しくて勘が鋭い。何も言わずに部屋に上げてくれた。ほとんど会話もなく、二人してずっとテレビを見ていた。それだけなのだが何だか癒された。こういうときに人のありがたみを感じる。
hashigotanさん、これまでになく勢いがあって、というかギラギラしていて、よいなあ、と思う。ただ、「親孝行」の文字が僕には痛かった。hashigotanさんとご両親の間には、人間らしい血の通った関係があるのだなあ、と少し羨ましくなった。
僕も人並みに親孝行したい気持ちは持っているのだけど、そうするとこちらにもたれかかられてしまう。母さえもうちょっとしっかりしていてくれればもっとよい関係が作れたのに、悔しくてならない。
母はひとまず退院したらしい。父から電話があった。
父も今回の一件では参っているようだ。父は同じ戦場を戦った戦友のような調子で僕に話しかけてきたのだが、なんだか無性に腹が立った。本当に大変だったとき、お前は電源を切ってどこかに逃げ込んでいたじゃないか!
・・・彼らを愛せないことはもう充分受け入れてはいるけれど、それでもこうして目の前にその理由を突きつけられると傷つく。
両親への愛情に疑いのない人の幸せを、僕は心の底から祝福できる。それがどれほど大きな幸運かを僕は知っているからだ。
できるなら僕は僕の子供たちをそういう幸運な子供にしたいと願っている。