不幸自慢ぽいのが鼻にさわります

イライラする。家族に影響を受けて心が乱れている。とても不快だ。
ウチの家系には奇人変人が多い。本家の法事ともなると一族郎党が集まって、サル山みたいな雰囲気になる。小さいころはそんな大人を見るのが嫌で法事が苦痛だった。
僕はそんな一族の連中から半端者の扱いを受けている。年長者を敬わないゴクツブシだと思われている。よく、「お前はまともな職にはつけない」と言われてきた。今となっちゃ、それで上等!なのだけど、小さいころはキツかった。
小さい頃、僕には友達は一人もいなくて、かまってくれる大人もいなかった。勉強はとてもよくできたけど、躾されてない手を焼かせる子供だったので先生には疎んじられていた。
思い出すと悲惨だ。
いつも一人で虫を観察したり近所の建築資材置き場に秘密基地探検を作ったりして遊んでいた。そんな風に一人でいたのがいけなかったのか、近所の変態親父に目をつけられて無修正のポルノを見せられたりチンコをイジられたりしてしまった。
しかし、何より一番キツかったのは、両親の関心が僕の上にないことだった。父は左翼運動家で見ず知らずの他人の人権問題や革命に心を奪われていて家族には毛ほども気を配らなかったし、母はそんな父にしがみつくのに必死で子供を愛せる人ではなかった。僕は彼らの気をひくために、自分のヒタイをブロック塀に打ち付けて割ったことがある。でも家族はヒタイの傷にはちっとも気づかなくて、そのとき、今なら「絶望」と呼ぶような心の痛みを味わった。
こんな幼少期を過ごすと、どうしても心のどこかが歪んでしまう。自分の価値を信じられなくなる、人に許可をもらわなくてはそこにいてはイケナイような気がする。そんな自分を背負って生きていくのは困難だ。
大人になってからの経験で、なんとか楽しくのらりくらりやっていけるようになった。しかし、母の一件でまた昔に引き戻されている。自分を信じることができない。自分の周りに希望が見つけられない。
うーむ、どうしたものか。
それにしてもホント腹立つなあ、ウチの馬鹿親。いい大人なんだからしっかりして欲しい。すんだことは仕方ないから、これからは僕に迷惑はかけないで欲しい、んだけどねえ・・・